イタリア(パルマ&ローマ)見聞記 ~カルチョ&遺跡ツアー~
実体験レポート 2001
加川 亮一さま
東京都・調布市出身
熱狂的なサッカーファンで少々味にはうるさい(!?)イタリア好きな気さくな方です。
旅行記の中でも伺える、奥様への気遣いと優しさ。お二人で仲良く、6年ぶりのイタリア旅行をお楽しになりました。ローマの真実の口では、何を思って、何を誓って手を入れてみたのか(!?)を是非、伺ってみたいですね。
イタリア(パルマ&ローマ)見聞記 ~カルチョ&遺跡ツアー~
うちの妻は遺跡が大好き、私はカルチョが大好き、そして今年は「日本におけるイタリア年」ではありませんか?とあまり大した根拠もなく、単なる イタリア好きのために、夏休み6年ぶりにイタリアへ行くことになりました。但し、カルチョ観るならやっぱり中田だぜ、ローマなので丁度いいと思っ ていたら、彼はパルマへ移籍してしまいました。そこで、当初のローマオンリーの滞在予定が、パルマ&ローマに変更になりました。そこまで、度々の 変更があったのですが、イタリア旅行社さんは、いやな顔せず?(多分)こまめに対応してくれました。多謝。
1日目(成田~パルマ)
空港でのチケット受け渡しというパターンは初めてだったので、多少のトラブルはあったものの、無事出発。アリタリアは初めて利用しましたが、正 直うーん食事が不味い。でも本場イタリアで美味しい食事が出来るのだからと気を取り直して、ミラノへ。
イタリアらしく?中々スーツケースが出てこない。1時間程度待ってやっと出てきたスーツケースを抱えて、ハンサムな送迎の運転手とご対面。車で 高速を平均130kmで飛ばして約2時間。距離感がなかったので、途中で本当にパルマへ向かっているのだろうか?と一抹の不安が頭をよぎる。妻の 表情は硬く、びびっているようにも見える。運転手さん英語出来ないみたいだし、こっちはイタリア語出来ないしと思っていたら、現地時間で夜9時無 事ホテル・ファルネーゼに到着。
結構疲れました。明日以降の予定は明日決めることにして、早々と寝る事にしました。
2日目(パルマ観光)
朝起きると外は快晴。何故か我々夫婦は国内旅行すると天気が悪い事が多いのだが、海外旅行で雨が降ったのは、6年前イタリア旅行の初日ミラノの 時だけ。今回もそのジンクスが続くといいのですが。だってカルチョと遺跡を観るのに雨では最悪ではないですか。
早速朝食を摂りにホテルのレストランへ。このホテルはちゃんとしたレストランを併設していて、コンチネンタルではなく、アメリカンスタイルの朝食。 まず、カメリエーレのおじさんにコーヒーの種類を聞かれカプチーノを頼む。ホテルの食事なので、期待してなかったのですが、これが予想を裏切りと ても美味い。朝からパルマ特産の生ハム、サラミ、パンあとマチェドニアにヨーグルト。コーヒーも日本のカプチーノとは一味違う。流石、食の都パル マ恐るべし。
感動して朝食を終え部屋に戻り、街の中心地までの位置を確認(ファルネーゼは街からかなり-約2km程離れているのです)。なんだ案外近いなあ、 歩いていくぞと勇んで観光に出かけたのが悲劇の始まり。日程表にある地図のホテルの位置が間違った場所にマークされていたため街の中心ではなく、(恐 らく)郊外の住宅地を歩きまわるはめに。妻の機嫌は悪くなるし、高速道路の側まで行ってしまうしで、途中でホテルに引き返しました。そしてフロン トで確認したところ、正反対の方向に行っていた事が判明。気を取り直して、再度歩いていくとやっと駅前に到着。
当初の予定から1時間遅れで、イタリアの街で最初に訪れるべき場所Duomoへ。当たり前の話かもしれないが、イタリアではどこの街にも立派な Duomoがあり、とてもきれいな宗教画があります。空は青くのんびりとした雰囲気、日本と時間の流れ方が違います。やはり旅はこうした日常と切 り離してリフレッシュしたいものです。続いて洗礼堂、コッレッジョの部屋、ファルネーゼ劇場を見学。街が昼休みに入ってしまったので、夕食をとる 予定のトラッテリア(La Barricate)*1の場所を確認、水とジュースをスーパーで買って一旦ホテルへ戻る。
イタリア人の夜は遅い。だがあまり彼らの時間に合わせていると、こちらは次の日の予定もあるので、19時過ぎの開店前の雰囲気を無視してボナセー ラといって強引に店に入ってしまう。イタリアのマンマといったおばちゃんが注文を聞きに来たので、妻が片言のイタリア語でメニューを頼んだところ メニューはないよとのこと。又おばちゃんはイタリア語しか出来ない、一生懸命口頭でメニューを教えてくれるのだが、当然こちらは何を言っているの か解らない。でもパルマといったら、生ハムとチーズだろう。それらしき単語が出てきた料理を頼むとおばちゃん満足げに厨房へ。料理内容はパルマのチー ズをふんだんにつかった郷土料理(多分)。とても美味しかったです。料金も約10万リラと安い。ただ後でよく考えると野菜を殆ど食べてないので、結 構ヘビーだったかも。
帰りがけには、食事の途中にトラッテリアへ入ってきた若者達に「フォルッア中田」と言われ、ささやかな日伊交流をすませてホテルへ。今日は10 kmは歩いたでしょうか。
本日の教訓:イタリア語を話せればもっと旅に深みがでる(当たり前か)。
3日目(カルチョ観戦)
今日はこの旅の前半メインイベント、パルマの試合の日。朝から懲りずにまた生ハムを食べるものの午前中の市内観光はそこそこにホテルへ戻り15:00からの試合に備える。本場の雰囲気を堪能するために、試合2時間前にはエンニオタルディーニ・スタジアムへ。 さすがカルチョの本場のイタリア。最初間違えてアウェイのインテル側から入場しようとしたら、異様な雰囲気。気づいて途中で戻りましたが。
但し、試合そのものは、中田が活かされてないチーム戦術との感を強く持ちました。特に右サイドのサルトル及びFWのミロシェヴィッチと関係が良くない。俺が監督だったら、特にサルトルは使わんぞと思いました。試合中も熱くなって、サルトルに対して罵声を浴びせていたら(勿論日本語ですが)隣のパルマのおじさんが驚いていたそうです(妻の話)。翌日のガゼッタデルスポルトの採点で中田が4.5と出場選手中最低でしたが、納得いかんなあと思いました。
試合は今ひとつでしたが、セリエAの雰囲気、アウェイのサポーターの応援熱狂度が体験出来て面白かったです。おまけにスタジアムから、ホテルへ歩sいて帰る途中にパトカーに挟まれたバスに乗っていたインテルサポーターの一団から、「中田死ねー」と日本語で言われたのは、逆にそれだけ中田がイタリアで認知されている証拠でしょう。感慨深かったです。但し彼はこんなもんでは終わらんでしょう。ヒデ頑張ってくれ。
夜は、ホテル内のレストラン(Cherubino)*2で昨日同様パルマ郷土料理を食べる。英語が通じるのが助かります。相変わらず生ハムを欠かさず注文。美味い。幸せな気分。赤ワイン1/4、前菜、パスタを1プレート、メイン2皿、ドルチェ、エスプレッソで〆て約11万5千リラ。相変わらず安い。
*2 Ristorante Cherubino Via Reggio 51/a-43100 Parma 0521-294929
4日目(パルマ~ローマ間移動)
今日で、パルマとはお別れ。料理は何処で食べても美味かったが、観光には正直半日あれば十分です。はい。ホテルからボローニャ空港まで、またもやホテルへ出迎えに来たハンサムな若者が、ベンツで平均140kmのスピードで車を飛ばす。まるでアウトバーンにいるみたい。18:30頃にローマのホテル、Virgilio着。
又、この日はアメリカに対する無差別テロが起こった日。その凄まじさにはローマでもその話題でもちきりでした(但し、当方イタリア語が出来ないのでテレビ等の映像を見ての感想です。パルマのホテルではCNNを見たので問題なかったのですが、ローマのホテルではCNNが写らずかつインタビューは全て通訳してしまうため詳細不明でいらいらしました。)言いようもなく悲しい気分になってしまう。
5日目(ローマ観光)

フォロロマーノにて凛々しくポーズ
6年ぶりに戻ってきたローマ。何だか街並みを懐かしく感じてしまう。今日は古代ローマの足跡をたどるをテーマにローマを歩き回る。主な観光スポットは、フォロ・ロマーノ→パラティーノの丘→サンタ・マリア・イン・コスメディン教会→サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会→サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ教会(妻の洗礼名の教会。妻はとても感動してました)→パンテオン→ナヴォーナ広場。全て歩いて回りました。

サンタ・チェチェリア・イン・トラステヴェレ教会の前で奥様のますみさん。
パルマで毎日約10km歩いたせいか、歩く事は苦にならないし、ローマはそんなに広い街でないので、その方が効率的です。皆さん、体力つけてローマは歩きましょう。その方がより身近に街を感じる事が出来ると思います。
本や映画で観るのもいいですが、古代と現代が奇妙にミックスしたローマの魅力は何回来ても(私は2回目、妻は3回目ですが)飽きる事はありません。日本に比べれば不自由なこともありますが、人間味溢れる街だと思います。
さて、食事ですが、朝のホテルの朝食はコンチネンタル。味も正直大したことはありません。パルマとは段違いです。ああ、都会のホテルだなあと思いました(但し、ホテル自体のサービスはとても快適でした。フロントのおじさんも皆親切。美味しいレストラン、近所の食料品店等色々と相談に乗ってもらいました)。昼食はトラステヴェレの「パリス」で、フィッシュのコースを頂きました。このリストランテはローマ伝統料理を供す店です。但し量が半端じゃなかった。前菜、スープ、小えびのパスタ、すずきの香草焼き、ストロベリーのシャーベット、エスプレッソ。隣のイタリア人が昼からよく食うなあと呆れて見ていた様です。実際かなりきつかったです(ちなみに夜は抜きました)。パスタは文句なく美味かったが、前菜やメインの魚の味付けの繊細さは、日本のイタリアンもかなりレベルが高いと感じました。
後、色んなところで紹介されてますが、「サンテウスタキオ」のカプチーノ。騙されたと思って行って下さい。抜群の味です。ローマで味わうささやかな幸せ。あなたも是非どうぞ。場所はパンテオンの近くです。
6日目(ローマ観光2)

ローマ ポポロ広場
当初の予定では、ティヴォリかオスティア・アンティーカに行く予定でしたが翌日がアッシジ観光で朝は早いため、妻の体力を勘案して市内観光&買物に変更。どっちみち、今回だけでローマは未だ全部は見きれない。残りはまた来年。
今日の予定は、サンタマリアデリアンジェリ教会→ディオクレティアヌス帝の浴場跡→サンタマリアデッラコンツイオーネ教会→スペイン広場→ポポロ広場→ピンチョの丘。昨日同様全て歩きです。 住んでいればいたで色々問題はあるのでしょうが、一旅行者の勝手な感想では、ローマって本当にいい街です。日本(特に東京)では、旧いものがどんどん効率化という名のもとに切り捨てられていきますが、それがローマでは渾然一体となって残っている。それも街の中心地は徒歩で十分廻れる範囲内にある。出来れば3週間ぐらいはいたいものだとピンチョの丘で物思いに耽ってしまいました。
ところで、今日の昼はポポロ広場近くの「ポルタ・デ・リペッタ」*3。前の日の教訓を生かし、今回はカルネのスモールコースに。食前酒のスプマンテを飲んで早くも極楽気分。ローマの人は昼の食事時間も遅く、13時だというのに、客は我々のみ。その分給仕も細やかに対応してもらい恐縮してしまいました。又、パンもうまい。チーズとルーコラの前菜のサラダに続きパスタは野菜のフィトチーネ。ああ幸せ。メインは牛肉をソテーしたものにチーズのかかったもの、すいません、おいしいけど正式な名前はわかりません(パルマでも同系統の肉料理を2回食べましたが)。
ドルチェは、店のお勧めチョコのティラミス。さすがに本場。いままで食べたことのないような大人の味。そして締めはエスプレッソ。大満足で勘定は13万5千リラ。チップ多めに置いてきました(全体的に味付けは繊細で日本人向。我々夫婦がお気に入りの経堂のイタリアン*4に味が似ています)。
夕食までは時間が空いたので、ホテルからクイリナーレ宮→トレヴィの泉へ観光に。クイリナーレ宮では、めったに見られない衛兵の交替を見る事が出来ました。食事は、ホテル近くのピッツエリアで*5。軽めに?サラダ、マリナーラとマルゲリータ、ドルチェはストロベリーのアイス、そしてエスプレッソ。ナイフとフォークで食べるピザには悪戦苦闘(指がつりそう!)。美味しかったですが、日本のピザも又捨てたものではないですよ。例えば東京では私が時々行く、「ベッラ・ナポリ」*6。お勧めです。
最後に買物について。お土産には、スペイン広場近辺で手袋。あと知人のお勧めで、靴下とアンダーウェアをコルソ通りの「ショスタル」で*7。地味な店ですがお勧め。コンドッティ通りのマルチェロでシャツとネクタイも買いました。充実の1日。
*3 Ristorante Porto di Ripetta Via di Ripetta,250, Roma 06-3612376
*4 Rezzo 世田谷区経堂1-21-21 03-3429-8577
*5 Due Colonne Via dei serpenti,91 06-4880852
*6 Bella Napoli 江東区高橋9-3 03-5600-8986
*7 Schostal Via Del Corso,158 06-6791240
7日目(アッシジ観光)

アッシジ サンタ・キアラ教会
妻の楽しみにしていたアッシジ観光。現地でのパッケージツアー、各国(ドイツ、ポルトガル、ブラジル、アメリカ等)から総勢32人。うち日本人9人。はとバスの外人さんツアーに参加しているみたい。今日ばかりはパックツアーの行動を思い出しました。スポレートを経由してアッシジへ。流石キリスト教の聖地の一つであるアッシジ、観光客がべらぼうに多い(但し、巡礼目的の方が多く雰囲気はちょっと違います)。天気もよく、街自体がピンク色でとてもきれい。きっと夕日だったら、さらに感動的な景色になるでしょう。
1996年の大地震でかなりのダメージをうけた教会も殆ど修復が終了、生でジョットの絵が見れて感激しました。パックツアーのよい点は、自分達で自由に使える時間が少ないものの、移動に関しては気を使わず効率的にまわれることが利点です。但し食事は???。 最後は、お土産に店員さんお勧めの今イタリアで一番注目されているというトスカーナの赤ワイン(日本には殆ど入荷しないらしい)を買ってローマへ帰る。
8日目(半日ローマ~成田)
いよいよ今日でローマとお別れ。14:30にホテルに送迎が来るので、フロントにチェックアウトの延長交渉をするが、「もうすでに客がフロントで待っている部屋もある、難しい」とのこと。お願いして荷物だけ時間まで置かせてもらうことにした。併せて、ローマ最後のランチの美味しい近所の店を紹介してもらう。特に昨日の食事がひどかった?ので、最後はびしっと決めたいですから。
フロントのおじさん曰く、このレストランのパスタはあなたたちがきっと忘れられないものになるだろうと。期待に胸が膨らむ。
昼の時間まで観光に出かける。サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会、マッシモ宮。ここでは3Fにあるリヴィアの家のフレスコ画を見学する際に、時間を区切ってガイドしてくれるの(英語もあります)ですが、今回は特別に12:00にアメリカのテロで犠牲になった人々のために全員で黙祷。カトリックの国を実感。
さあ、最後のランチだ。レストラン(Tema)*8に到着するとイタリア時間では昼には未だ早いらしく、また最初の客に。ホテルのフロントの紹介で来たというと、今日のスペシャリテを是非食べてくれと言う。ローマのレストランは、海が近いせいか魚料理を売りにしている店が多い。今日の魚を見てくれと厨房前まで連れて行かれる。結局、白ワイン、オマールエビとトマトのパスタ、すずきとスカンピの塩焼き、ドルチェはパンナコッタにエスプレッソに。妻は魚料理が苦手な方ですが、とても美味しいと最大限の評価。特にスカンピは絶品、やはり地のものは美味しい。東京では食べられません。大満足です。ローマへ行ったら、是非。但し料金はちょっと高めの20万リラ(あくまでも、イタリアにおける比較。日本で同じ内容だったら、倍以上出しても食べられるかどうか)。関係ないけど、イタリアのカメリエーレは若くてハンサムな人が多かった。
帰りはミラノ経由で成田へ。座席で、ヴィデオを見られるのはいいんだけど、JAL(コードシェア便)の座席の狭さには閉口。ヴィデオはいいから、もっと座席のピッチ広げてよと言うのが、一利用者の声です。それにしてもミラノから一緒になった日本人の買物の量には吃驚。イタリア経済に貢献してます。
*8 Ristorante TEMA Via Panisperna,96-97-98 00184 Roma 06-486484
終わってしまえば、あっと言う間の夏休み。妻は手配旅行に味をしめて、既に来年のローマ訪問の計画をたてています。パックツアーには、料金、料理等全ておまかせという利点もありますが、やはり手配旅行は自分のペースで出来るからいいですね。来年もイタリアに行くことになったら、また宜しくお願いします。又、そういうことが出来るのも平和だからこそ。その思いを改めて実感した旅でもありました。 以上
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