イタリアのコナモンとの出会い 南イタリア・ソレント&シチリア島のアグリツーリズモ体験と フィレンツェ ~グルメな体験談~
実体験レポート 2004
Nさま
2004.10.10~10.19(10日間)
「3度目のイタリア旅行。
イタリアのコナモンとの出会いを求めて、いざ出発」
関西空港 13:25発 アリタリア航空AZ795便 ミラノ・マルペンサ空港行。
ミラノ・マルペンサ空港 19:10着。ミラノ・マルペンサ空港 21:10発 → ナポリ・カポディキーノ空港 22:40着。
今回で3回目のイタリア旅行。今回はどんな旅になるかな…。同行者はホームページでお世話になっているコナモン協会会長の熊谷真菜さん。イタリアのコナモンとの出会いが楽しみ…。
関空出発後、ミラノを通過して、約12時間でナポリのカポディキーノ空港へ。
空港から専用車が待っていてくれてホテルまで送迎。深夜だったので専用車が待っていてくれると安心できる。 ホテルはヴィラマリアという★★星ホテル。小じんまりとして、清潔なホテルだ。ベランダでソレントの夜景を見ながら、明日からの事を考え就寝。
★コナモンとは、コナ(粉)を使った料理の総称です。
日本コナモン協会は、たこ焼き研究家として活躍している熊谷真菜を会長とし『コナを食し、コナと遊ぶ。コナから生まれた食宇宙=コナモン の魅力を味わっていきたい。』という基本理念のもと、2003年5月7日(コナモンの日)に設立しました。日本コナモン協会は、コナモンの魅力を「面白まじめ」で考える民間道楽団体です。
コナモン協会会長の熊谷真菜さんのホームページ
http://www.kumagaimana.jp/

ナポリのコナモニスト(?)ピッツァ職人と一緒に。熊谷真菜さん(中央)とNさん(右)
10月11日 まずはカンパーニャ州州都ナポリからスタート!
今日は、ヴェスヴィオ周遊鉄道を使ってナポリへ。あいにく雨が降りだした。外国の鉄道はいつの間にか到着して、いつの間にか発車してしまう。 最初は不安だったが、この方式に慣れると日本の鉄道のアナウンスがうるさくてしょうがない。
1時間ほどでナポリへ。雨もやんでカラッと晴れてきた。そういえば熊谷さんはものすごい「晴れ女」だそうだ。 今日はイタリアのコナモン「ピッツア」を食べまくるぞ~!!スパッカ・ナポリをブラブラしながらナポリの人達の生活ぶりを垣間見る。洗濯物が翻っていたり、野菜屋や果物屋が軒を連ねる。 私はイタリアの野菜屋や果物屋が大好きだ!色とりどりの野菜や果物を古い秤を使い新聞紙などにくるんで渡している。実はここで働いているおじさんやお兄さんを見るのが好きなのだ。 皆、威勢が良くていい男が多い。自然に触れていると、だんだんいい顔になっていくのかな…。漁師とかかっこいいもんね。(これは私の好みですが…)
サンヴェローゼ礼拝堂のサンマルティーノ作「ヴェールに包まれたキリスト」を見学。余りの美しさに声も出ず。私は、キリスト教徒ではないが、教会や礼拝堂に行くと落着く。

イタリアのコナモンと言えば、まずは本場ナポリのピッツァ。真っ赤なトマトが更に食欲をそそる。豪快に頬張る、これが旨い食べ方。Nさん(上)と熊谷真菜さん(下)
その後、ナポリのピザ屋さんや老舗のお菓子屋さんを探して食べ歩き。港近くの道を歩いていると、スクーターに乗ったおじさんがニコッと笑いながらこちらに向ってきた。 私も何げなく笑ってお辞儀すると、首元のネックレスを引っ張られスクーターで逃げていった… 何が何だかわからず「え~何今の!!!」と我に返る。ネックレスをひったくろうとしたのだ。 幸いネックレスはひったくられず、怪我もなかった。 ドキドキして何が何だかわからなかった。後から恐さが甦ってきた。 同じように首にパスポートや航空券の入ったポーチをぶら下げていたのでこれをひったくられていたら…。 ネックレスは母からフィレンツェで似たデザインのものを買ってきて欲しいといわれて着けていた。今まで旅行 でこのような目に逢ったことがなかったので少し油断していたかもしれない。気をつけなくては…。
気を取り直して、ギャラリアや卵城・ナポリ湾を散策。高速船でソレントへ帰る。ナポリの夜景がきれいだった…。
<本日のマンジャーレ>
★アッタナシオ
スフォリアテッラ(お菓子)のおいしいお店→お休みでした。
★da MICHELE(ダ・ミケーレ)
マルゲリータ もちもちした食感の生地がやみつき。こげた所も香ばしい。
一番好きな味
★Trianon(トリアノン)
マリナーラ(バジルとトマトソースとにんにく)、ワイン
★ナポリで一番古いピザ店(名前忘れた)
ゼッポリーネ おいしくない。
★マットッツィ(ナポリ協会副会長のお店)
お腹が一杯で見学のみ
★ナポリの下町のレストラン(名前忘れた)
豆のパスタとスパゲティボンゴレ お腹が一杯で半分くらい残す
★スカトゥルキオ(ナポリで一番古いお菓子屋さん)
プチケーキなど色々。日本の方がおいしい。
★カフェ・プレンチペ(ナポリで一番の老舗のカフェ)
エスプレッソ おいしかった。少しスノップな感じ。
TVの取材が来ていた。
10月12日 カプリ島とソレントへ。

真っ青な地中海を背景に、秋風に吹かれながら・・・リゾート感を満喫。
今日はカプリ島へ出発。またあいにくの雨。この時期は雨が多いそうだ。 高速船内は、ドイツ人の高校生や地元の中学生などの団体と一緒だった。 日本の子供達と変わらず、オチャラケの子もいたり内気でおとなしい子もいたり、 ませた女の子もいたりで見てて楽しい。 最初はふざけていた子達も船が揺れて船酔い状態に…。 私も気持ち悪くなってきた。海は好きだけどこの船酔いだけは…ホントダメです。 早く陸についてくれ~!!
1時間半ほどでカプリ島へ到着。やはり波が高かったのか、時間がかかったよう。 私も熊谷さんも船酔いしたので、しばし海岸で休憩。 楽しみにしていた「青の洞窟」は高潮のため入れず。 ケーブルカーでカプリ島のウンベルト一世広場へ到着。いつ見てもここから見える景色は絶景だ。呆然とするくらい美しい…。 神様がこんな素敵な島を作ってくれて、地元の人もそれを大切にしている…というのが伝わってくる。

カプリ島の子供たち。
カプリ島は古くからの観光地ということもあって、お洒落なブティックやレストランが所狭しと並んでいる。 この喧騒をうるさいと思う人もいるかもしれないが、私はヨーロッパの典型的なリゾートな感じがして好きだ。
「100%Capri」というリネン専門のお店で白の麻のロングスカートと茶色(いかにもイタリアらしい茶色)のブラウスを購入。 ここは試着をするたびにアイロンで商品をプレスしてくれる。こんな所にヨーロッパのリネン文化を感じてしまう。 とにかく街を歩く、歩く。 大きなお屋敷や素敵な老夫婦に出会う。
島に住んでいる人々の生活はつつましやかな感じだ。 散策中に建築中のホテルを発見。街の景観になじむよう、レンガを一つずつ組み合わせながら造っている。 ヨーロッパの街並みを見て感じた美しさがわかったような気がした。昔の人達の文化や建物を継承し、尊敬することで 街の景観を壊さないように、新しい建造物を作るにしても細心の注意と敬意を払っている。 何より、地元の街(故郷)を愛しているからなのだろう。 高速船でソレントへ。帰りは余り揺れずほっと一安心。カプリ島から眺めた、ソレントの港はこれまた美しかった…。
ソレントに着いてから、街を散策。朝にはわからなかったが、 細い路地に土産物店やレストランが迷路のように連なっている。 複雑な迷路のような路地をうまく使っているという感じだ。 あと、灯りの使い方がとても上手だ。 蛍光灯ではない、街灯のあたかい灯りは街をとてもきれいに見せている。 ろうそくとか街灯とか外国の人達は灯りをとてもうまく使っている。日本にも素晴らしい灯り文化があったのに (谷崎潤一郎の陰影礼賛とか)今は蛍光灯全盛で全てが明るい。 外国に行くと昔の日本文化は素晴らしかったと再認識してしまう。 日本っていいとこいっぱいあるなぁ…と日ごろの生活を省みながら反省 夕食はソレントの中心街にある「カルーゾ」というレストランへ…。この話は後でゆっくりと…。
<本日のマンジャーレ>
★DA GEMMA(ダ・ジェンマ)
値段高めだけど全ておいしかった。
アクアパッツア 魚介類のリゾット モッツラレチーズの網焼きレモン風味
ズッキーニの花のフリット
★ソレントのカルーゾ
手長エビとナスの揚げリゾット・ズッキニーソース ニョッキ
スフレ アイスクリーム添え コーヒー
(別途紹介文あり)
10月13日 いよいよ最大の目的シチリア島のアグリツーリズモへ
ナポリ・カポディキーノ空港 14:55発→ローマ・フィミチーノ空港 15:55着→17:35発→パレルモ空港 18:45着 着後専用車でシチリアのアグリツーリズモ、VILLA DAFNE(ヴィッラ・ダフネ)へ

シチリア島パレルモから約2時間のエリアにあるアグリツーリズモ“ヴィッラ・ダフネ”
いよいよ今日はシチリア島へ。 パレルモ空港に着くと、ショットガンを持った軍人がいる。麻薬犬を連れた軍人もおり、「あ~ここはゴッドファーザーの島なんだ」と言う事を再認識。麻薬の密売人も多いそうだ。 ものものしい雰囲気に包まれながら、約2時間でシチリアのアグリツーリズモ ヴィラダフネへ到着。
車で2時間は疲れた~。思ったより、かなり田舎だ…。 ホテルの人が迎えてくれるが、予約帳を見ても私たちの名前がないようだ…。 それでも「何はともあれ部屋へ案内するよ」と言われて部屋で荷物を降ろした後、「お腹がすいているだろう。ごはん食べるか?」(と多分言っていると思う)と「マンジャーレ、マンジャーレ」を連発した後、私達はレストランへ連れられた。 あまりの気取りのなさに拍子抜けしながら席へ着く。 水とワインの入ったデキャンタとパンとバターや、前菜が4種類もあり、どれもおいしそう…。その後、豆のスープ、鶏肉のロースト、ドルチェと続く。が、疲れもあり、余り食べれなかった。(こんな時もう少しタフだったらなぁと感じてしまう) ウェイターの男の子が少し心配そうな顔をするので「残してごめんなさい。長時間のドライブで疲れてしまって…」と話すと「ノープロブレム。気にしないで」と笑顔で答えてくれた。 見るとその男の子は色が黒く髪も真っ黒だ。ジプシーかなと思っていたらスリランカから出稼ぎに来ているらしい。
ヨーロッパに旅行してこんな場面に遭遇すると階級社会について、私は少し複雑な気持ちになる。 「サービスする人」と「サービスされる人」という区別になれていないので、どのように接したらいいのか迷ってしまう。 アジアに余り旅行しないのも、同じアジア人なのにサービスされるということに、何か申し訳ないような気持ちになってしまう。多分、サービスされることに余り慣れていないからだと思う。 ポーターに荷物を持ってもらっても自分で持った方が気が楽だ。ポーターの人達にしてみればそれが仕事なのだから、それをされるのは困るんだと思う。 サービスすることが職業として成り立っている国との違いなのかもしれないが…。 気持ちよくサービスが受けられて、お互いに気持ちよく過ごせるにはどのように接したらいいのか…。 これは私の今後の課題となりそうです。
スリランカの青年は笑顔がとってもステキな男の子でした。
<本日のマンジャーレ>
★4種類の前菜(オリーブのオイル漬け、パプリカのマリネ、ドライトマト、
カルチョーフィときのことチーズ)
★豆と野菜のスープ
★鶏肉のロースト バルサミコ風味
★カッサータ(お菓子)
10月14日 厨房スタッフの仲間入り!?日本のコナモン“たこ焼き”披露

持って帰りたくなっちゃう。
興奮しているせいか朝5時30分頃に目が覚める。まだ外は真っ暗だ。 暗い中を歩いていると。犬が3匹駆け寄ってきた。日本で犬を飼っているせいか、 犬に好かれるようになった。えらい人なつこっい犬達だ。 「い~ね~君達。こんな素敵な所で自由に駆け回れて…」 明るくなって回りを見渡すと、のどかな風景が360度広がっている。空気も冷たいが 澄んでいるので気持ちがいい。10月だったので、農地の作物は刈り取られ、きれいに 整地されている。春の種まきまで休んでもらっているという感じだ。
部屋へ戻ると、熊谷さんがなぜかエプロンとバンダナをしている。 「どうしたんですか??」 「厨房を覗いていたら、手伝いたいの?い~よ入っておいで」と言ってお料理の手伝いの 許可がおりたそうだ。熊谷さんは興奮しながら「じゃぁ行ってくるね!」と言いながら 嬉しそうに出かけていった。 ほどなくして、厨房を覗くと熊谷さんがせっせと手伝いをしている。本当に楽しそうだ。 大きなパプリカをバットに並べてこれからオーブンで焼くらしい。 「何かこの旅で一番嬉しそうな顔してますよ」「うん。こんな事するのが夢だったから。 嬉しくて嬉しくて…」 厨房の中はシチリアの優男ガブリエルと心優しきリランティ、そして、このホテルの女主人の 弟リーノの3人で切り盛りしている。
鍋の中にオレンジジュースにブリュットタイプのスプマンテをドボドボと入れる。 これは食前酒のベリーニかな? 玉ネギを細かくみじん切りにしたり、ナスやズッキーニを焼いたり、揚げたり…。 豚肉はどど~んと塊で塩やペッパーを擦り込み、ローズマリーやフェンネルなどのハーブを置いていく。 それをオーブンに入れて焼き上げる。実にダイナミックだ。 ホテルの畑で取れたオリーブオイルやトマトソース、バルサミコを惜しげもなく使い、パイやパスタも全て手 作りだ。これでおいしくないわけない!!! 厨房の中を地元の野菜屋さんや肉屋さん、チーズ屋さんが入ってくる。私達、にわか料理人にビックリしなが らもニコニコと嬉しそうだ。写真を撮ると喜んでポーズをとってくれる。いいなぁ。みんなgoodfaceな人達ばかり…。

厨房スタッフの仲間入り!?楽しくダイナミックにクッキング。これが本場シチリア料理の秘訣?
フンギのお手伝いとお鍋の番はNさん。ドボドボ豪快に注ぐ熊谷真菜さん。
あっと言う間に時間が過ぎもうお昼だ。お昼のまかない料理をスタッフの皆でいただく。 何だか私達もホテルのスタッフになったようで、嬉しい。リーノの奥さんも来た。この奥さんがまた陽気なイタリア女でとても素敵だ。「一緒にごはん食べましょう!さぁどうぞどうぞ。」と言われ席に着く。 その席上でのこと。昨日のウェイターの男の子が同じテーブルについて食事をしている。私は初めてこんな光景を見た。厨房の主、リーノも 他のスリランカの子達に「ちゃんと食べてるか?もっと食べないとだめだぞ」と言っていたり(多分)リーノの奥さんも「もっと食べなさい」なんて(多分)言いながら笑っている。 スリランカの子達も恥ずかしそうに笑っている。でも嬉しそうだ。同じ厨房で働いているという事もあるかもしれないが、ここでは皆ファミリーとして働いているのかも…。言葉もわからないので、 本当の事はわからないが、彼等の笑顔を見て少しホッとした。

みんなファミリー気分。洒落っ気はないケド、絶品のランチ!
それから、厨房では、もう1つエピソードが。。。コナモン協会の会長としては、是非ともみんなに食べていただきたかった 日本のコナモン料理「たこ焼き」。熊谷さんは、たこ焼きの材料や器具を日本から持参して、ヴィッラ・ダフネの調理場で作り、スタッフみんなに 披露していました。あまりうまくはいかなかった様子でしたが、ボーノ(たぶんお世辞!?)と喜んでくれていました!

たこ焼き器で、くるっと丸く・・・興味津々 。
料理教室とお誕生日会

色鮮やかなシチリア生まれの野菜たちが美味しい料理へ変身中。
4時からガブリエルのお料理教室。午前中もお料理教室みたいなものだったので、その続きみたいな感じ。パスタやピザの分量など 丁寧に教えてくれる。お肉の付け合せのジャガイモをフライパンで炒め揚げする。こげそうなので気になってついついさわってしまうと 「余りさわるとジャガイモがくずれるので、そのまま置いておいた方がいいよ」と言われる。料理は辛抱だそうです。

ここでしか味わえない世界で1つの誕生日ケーキ。オメデトウ!
そして、何より、今日は熊谷さんの誕生日だ。厨房では、熊谷さんのバースデイケーキが焼かれている。直径30cmはあるくらい大きい。 夕食の最後にバースディケーキが運ばれてきた。他の宿泊客も「何?何?」と言う感じで見ている。 「今日は彼女の誕生日なんです!」と私が言うと、誰ともなく「ハッピーバースディ」の大合唱が…。 熊谷さんも嬉しそう。大きな目からうっすら涙があふれている。その後ホテルから「シャンパン」の差し入れ。 シャンパンを持って熊谷さんが各テーブルへお礼の挨拶に…。今日は熊谷さんにとって忘れられないお誕生日になったと思う。

ヴィッラ・ダフネの羊飼い? 大自然の中での目覚めは最高の気分!
昨日の興奮もさめやらぬまま、朝食の席に着く。隣のご婦人が「日本の方ですか?」と話しかけてきた。 私も昨日からもしかして日本の方かなぁと気になってはいたが、中国の人かもしれないし、日本人だけど日本語が話せない人かもしれないので、話しかけなかった。「ハイ。そうです」と言うと、 ご主人(ドイツ人)が「君と日本の友達と話している時の発音が似ているからきっと日本人だよ。話してみれば」と言われたそうだ。 そのご婦人は結婚されてずっとドイツのフランクフルトに住んでおり、お子さんも独立したので、夫婦で旅をしているらしい。 「こんなシチリアの田舎で日本人と会うとは何かのご縁ですね~」「今度フランクフルトに来たら是非遊びに来てくださいね」と言われ本気で行こうと考える。
そんな話をしていると、スエードのジャンパーをはおり、これぞハンチングの正しい被り方と言いたくなるようなおじいさんがやってきた。後から、これまたイタリアのマンマ!と 言いたくなるような太ったご婦人とその娘達、じいちゃん、ばあちゃんの一行がどやどやと朝食部屋に入ってくる。 総勢20人位にはなろうかという感じだ。「何かパーティでもあるんですかね~」なんて話しながら、 イタリアのファミリーを観察。熊谷さんはそんな人達を見るのがとても楽しいらしくニコニコしている。そこに居たご婦人に 「あなたはイタリア語がわかるの?」「何でイタリア語もわからないのにニコニコしているのかしら!!」ととっても 不思議な様子。それでも熊谷さんは笑っているので、しまいにはご婦人も笑ってしまっている。 本当に映画のような光景だ。おもしろい。

お祝いにかけつけた親戚、友人一同
しばらくすると、ホテルの玄関前が慌しくなってきた。赤い細長いカーペットを 敷き出し、椅子が並べられていく…。「これってもしかして結婚式と違います?」 「そ~か!だから親戚一同が集まって来たんだ。」親戚・友人一同は40名位になっただろうか…。 何だかワクワクしてきた。イタリアで結婚式が見られるなんて何てラッキーなんだろう!先ほどの、親戚一同も晴れ着に着替えて、 新郎・新婦の到着を待っている。南イタリアらしく晴れ着も派手だ。真赤なドレスやピンクのジャケットにスカート、 ブルーのドレスを着ている人もいる。30分位して新郎・新婦が到着した。赤いカーペットの上を2人で歩いていく。

雄大な自然の中、バージンロードを歩く・・・
新郎は俳優の渡辺兼さん似、新婦もとてもきれいな人だ。牧師さんらしき人が結婚の宣誓をして、指輪の交換、その後、 ライスシャワーで2人の祝福をした。私達もお米をもらって二人に投げかけた。新郎の友人は日本人が珍しいらしく熊谷さんと写真を撮っていた。 みんなとっても幸せそうだ。新婦の友人や、さっきの太っちょおばさんも泣いている。この光景は万国共通ですね。 みんなの嬉しそうな笑顔を見るのは楽しい。少し羨ましい感じもする…。

ヴィッラ・ダフネの結婚式場
それからは、パーティの始まり。司会者(DJ?)が音楽をかけながら「さぁ次は2人で踊って!」とか「次は僕のふりを見て踊って」とか 言いながら盛り上がる。おじいさんもおばあちゃんも照れずに踊っている。とっても楽しそう…。 私達はといえば、昨日のこともあり、スタッフの一員となってこの結婚式の準備を手伝っている(??)。 このために近所から親戚か手伝いの人かわからないが、色々な人達が集まってきた。 スーザンサランドン似の赤毛の声がハスキーな迫力おばさん、主(あるじ)のおじいさんの頃から農場でお仕えしている心優しき アンジェロ(GoodFace!)そして、2日目に出会ったこのホテルの主人 アントニオと奥さんのジュゼッピーナ。 アントニオはイタリア人にしては珍しく物静かな人だ。昔、盲学校の先生だったらしい。 私達がまかない料理を食べていても、いたって普通の顔で何事もないように一緒に食事をしている。 奥さんも弟のリーノと怒鳴りあいのけんかをしたかと思うと、すぐに仲直りして笑っている。キャシーベイツに似た豪快な人だ。 みんな、みんないい顔してる~。イタリアの人達は感情表現が豊かだ。大きい声で話すし、 怒る時は真剣に怒る。あきらめない。何だか人間的でいいなぁと思ってしまう。 普段日本での淡々とした生活が物足りなく感じてしまう。(でも実際この人達とつきあった疲れるだろうなぁ~。…。) 今日はとっても幸せな気分だった。
<本日のマンジャーレ>
★特別に、結婚式と同じメニューをいただく。

見るからに楽しく陽気なウエディングパーティ
10月16日 フィレンツェへ。まずはショッピングへ
10:55パレルモ空港発→12:05ローマ フィミチーノ空港着→13:05ローマ フィミチーノ空港発→14:15フィレンツェ空港着
楽しかったシチリアを離れて今日はフィレンツェへ。土曜日だったので、 観光客が異常に多いが、フィレンツェはやはりいい。 この石畳をダビンチやミケランジェロが歩いていたかと思うと、 それだけで感動する。明日が日曜日なので、買い物は今日中で 終えるように、街中を歩く。まずは、母からお願いされていた、 ネックレスとブレスレットを購入しようとポンテベッキオ橋の金細工の お店へ。

アルノ川にかかるヴェッキオ橋。橋の上には貴金属店が軒を連ねる。
毎回、フィレンツェに来ると寄っていた日本人のマダムがいる店を探す。ウィンドーに「日本語が話せるスタッフがいます」 という目印を探したのだが、その目印がどこの店にもない。多分この店だろうと思い店へ入るが、日本人らしき人はいない。 置物のだるまなどは前のままだったので、この店で間違いなさそうだ。オーナーと思われるおじさんに聞いてみると、その人は2年前に やめたそうだ。「今、どこにいるか?」と聞いても「知らない」とそっけない答え。しょうがないので、その店で探してみるが、 いいデザインのものがないので、他の店をあたってみる。色々見てもあまり気に入ったものがない。全ての店を見た後、 ウィンドーに割といいデザインのものがあったので、店員さんに見せてもらうようにお願いする。店員さんが 「あなたは日本人か?」と聞くので「そうだ」と答えると「ここに日本語の話せる人がいるので呼んで来る」と言われた。 高価な物の交渉なので日本人がいると有り難い。
少しホッとしていると、水色のセーターにジーンズ、一重の真珠のネックレスをしたマダムが階段から降りてきた。 何とそのマダムが私の探していたマダムだったのだ!!「もしかして、お店変わられました? 私、マダムを探していたんです! オーナーらしき人に聞いたらもうやめたって聞いたので、どうしようかと途方に暮れていたんです!!」と言うと マダムも私のしていたネックレスを見て憶えていたらしく「まぁこのネックレスして頂いているんですね。ありがとうございます」 と答えてくれた。わざわざ自分に会いに来てくれたのがとっても嬉しいとマダムは話してくれた。フィレンツェの金細工らしい伝統的なスタイルの ネックレスを色々見せてもらう。「これは素晴らしいものですよ」といって見せてくれたものが、母に似合うだろうと思い、思い切って購入! 「今度は是非お母様と来て下さいね」と言われ「ハイ!必ず来ます」と答えた。今日出会えたのも「縁」だなぁと思う。 私があきらめていたら、多分マダムには会えなかっただろう。マダムも明日がお休みと言っていたので、本当に運が良かった。 フィレンツェで出会ったステキな日本人のマダムだった。
その後、グッチ、フェラガモ、プラダ、エミリオプッチなどを見て、夕食は雑誌に掲載されていた「ガルガ」へ。カラスミのパスタはおいしかったが、 期待していた「きのこ(ポルチーニ茸)のリゾット」が余りおいしくなくて、ガッカリ。スタッフも日本人の観光客が多いせいか、変な日本語を使って少し軽薄な感じ。 期待していた割には今イチでした。
ホテルはマリア・ノッヴェラ教会の近くのホテル・ボンチャーニ。メディチ家の館だったらしく重厚な雰囲気。 観光地のホテルなので、愛想は今イチ。都会で観光地だとこうゆう感じになってしまうのかな…。
<本日のマンジャーレ>
★GARGA(ガルガ)
カラスミのパスタ、きのこのリゾット、サラダ、ワイン
最終日 フィレンツェでは必見のウフィッツィ美術館へ

花の都フィレンツェのシンボル、ドゥオモ
10月17日(日)いよいよ、イタリア最後の日。今日は、ウフィツィ美術館へ。朝9時前に到着したが、 既に長い行列。予約優先の列もあり今度来るときはこのシステムを使おうと思う(ウフィツィのHPからアクセス出来るそうです。) 後ろのカナダから来た夫婦と1人で来ていたアメリカのおじさん達がおしゃべりしている。多分ここで知り合った人達のようなのだが、 まぁ良く喋る。3時間近く待ったが、ほとんどずっと喋っていた。ここでもエネルギーの違いを感じる。
いよいよ美術館内の中世の世界へ…。 ラファエロ・ダビンチ・ボッティチエリなど名画との再会。このキャンパスに天才達が 絵筆で描いていたかと思うとワクワクする。 ラファエロの「ヒワの聖母」は神々しい。ミケランジェロは彫刻家らしく絵が立体的な感じ。ダヴィンチはミケランジェロの絵を酷評していたというが 何となくわかるような気がした。(気がしただけです…)こんな素晴らしい絵画や彫刻を大事に守っているフィレンツェの人達って素晴らしいな。 入場料8ユーロだったけど、この芸術品を鑑賞し(ガラス張りではなく直に見れる)保存するためには惜しくない金額だ。
美術館鑑賞後、おなかがすいたので、ポンテベッキオ橋を渡ってフィレンツェの下町を散策。 こちらは昔職人の町だったらしく革製品や靴などの商店が並んでいる。お昼のお店を探していると、ガラス張りのこじんまりとしたレストランがあった。テーブルには赤・白のギンガムチェックのテーブルクラスが かけられ清潔そうな感じ。入ってみると、なかなか良さそうだ。「おいしいお店ってスタッフの感じで何かわかりますね」「そう。何かスタッフの人達が「おいしい」ってオーラ出してますね」 予想どおり料理はとてもおいしかった。特に牛の胃袋をトマトソースで煮込んだトリッパは思ったよりおいしくクセになりそうな味わいだ。 イタリア最後の夜は「4Leoni」へ。このお店はアンソニーホプキンスが映画の撮影中によく訪れたそうだ。メニューがイタリア語だったので、悩んでいると日本人のスタッフの子が来てくれた。 こちらで料理人として働いているそうだ。メニューの内容を色々と教えてくれる。少し大柄のみるからにタフそうな感じ。この子なら外国暮らしもやっていけそうだ。自分の夢を世界で実現して修業しているなんて素晴らしいと思う。 こんな日本人がいて誇らしい。私もがんばらないと…。お料理もスタッフもとても居心地のいいお店でした。帰りにジェラードを食べてホテルへ。
<本日のマンジャーレ>

最後の夜、フィレンツェのジェラート屋さんで。ノッチョーラ(ヘーゼルナッツ)のアイス最高でした
★Ristorante La Galleria
トリッパ
Tボーンステーキ
ラザニア
パン入り野菜スープ
★Trattoria 4Leoni
アボガド ルッコラ
エメンタルチーズのサラダ
牛肉の赤ワイン煮込み
タレッジョチーズとアスパラの洋梨入り
フィオケッティ
エスプレッソ
ワイン
10月18日(月) 11:05 フィレンツェ空港発→12:05 ローマ フィミチーノ空港着→13:10 ローマ フィミチーノ空港発→10月19日(火) 08:05 大阪 関西空港着
イタリアのソレントで素晴らしいレストランと出会った!
ソレント最後の日はおいしいものを食べようと、雑誌に掲載されていた「Caruso(カルーゾ)」というお店に行ってみた。 カルーゾとは、イタリアのテノール歌手でカルーゾ没後、オーナーが彼へのオマージュとして開いた店らしい。 外観からして「高そう~」と思わせるイタリアらしい重厚な感じのレストラン。おそるおそる扉を開けると、オーナーと思われる人が 「お~ごめんなさい。すぐに開けます!」という身振りで「ボナセーラ♪」と笑顔で迎えてくれた。 このオーナーの笑顔で私はこのレストランは間違いなく「おいしい」と確信した。 店内はカルーゾの写真や肖像画が壁一面に飾られており小さな博物館のようだ。「予約してないんですが…」「いいですよ。どうぞどうぞ」と オーナーから接客担当へバトンタッチ。その時の私達の格好はジーンズにTシャツという姿。 「あ~もう少しきれいな格好してくれば良かった…」なんて居心地の悪い思いをしながら席へ案内してもらう。 日本人だし汚い格好だし…こうゆう場合外国だと必ず良くない席に 案内される。(私のヒガミかもしれないが…) しかしながら案内された席はごく普通の席だった。

Via S. Antonino, 12 – Sorrento Tel:081 8073156
メニューを見せてもらい、イタリア料理は量が多いので1人1品の2品だけ注文する。ワインも連日飲んでいたので、「結構です」と告げるとボーイさんは 「OK!」とこれまた嫌な顔ひとつせず、メニューを持っていった。この時点で私達はカルーソが気になりはじめてきた。「このお店私たちが今まで行っていたお店と何か違う…」 そして食前酒のスプマンテが運ばれてきた。「えっ これ頼んでないんですけど…」「これはサービスですよ。マダ~ム」と言われて「え~!!!」と驚き、 運ばれた料理を食べてこれまたおいしさに驚愕!
店内は、アメリカやヨーロッパの老夫婦か地元のファミリーが多いようだ。皆、楽しそうに食事をしている。カメラで記念写真を撮ったり笑い声が溢れている。 「これってお店のスタッフのせいかも…」と私達は気付きはじめた。とにかくスタッフがテキパキしていて、笑顔で回りに気をつかいながら、 動いているのが良くわかる。

驚愕のおいしさ!味もサービスも何もかも満点!
ミネラルウォーターやワインが無くなるとワインクーラーからさっとボトルを出しタオルで拭いて注いでくれる。それが恩着せがましくなく、 私達の会話を妨げることなくスマートなのだ!!隣のアメリカの男女2組のグループは、レストラン名物の白身魚の塩釜焼きを頼んでいた。塩釜焼きのカートがうやうやしく、 運びこまれ、塩でおおわれた魚をボーイさんが楽しそうに、かつ的確にさばいていく。私達と隣の老夫婦、アメリカ人のグループ計8人がその見事な手さばきに見とれている。 その時に私達8人全員が拍手をした。誰がすることもなしに全員で拍手したのだ!ボーイさんは少し照れながらも見事に魚をさばきそれぞれの皿に盛り付けた。 握手をしているお客様もいた。何だかとっても楽しい。自然に笑顔になっていく…。
ここはワインの種類も豊富でワインセラーも地下にある。ワインをボトルで席に運ぶことも多く、 ボルドー型のワイングラスで楽しんでいる。その時、さっきのボーイさんがワイングラスを落として割ってしまった。ボーイさんは少し苦笑いしながら「こんな事もあるよさっ」みたいな 感じでさっとグラスを片付け次の作業にとりかかっていた。お客もグラスが割れたことなど無かったかのように会話を楽しんでいる。 日本なら「申し訳ございませんっ」と詫びながら店内に重苦しい雰囲気がただよい、割った人は罪人のように人々の冷たい視線を浴びてしまう。何だか、 いたたまれない気分になってしまう。食事が終わったら今度は食後酒に「モスカートダスティ」が出される。先ほどのスプマンテの件もあったので、これもサービスなのか…と又新たな感動!! ドルチェもお腹が一杯だったので1品しか頼まなかったが、お皿とフォークは当然のごとく2つ用意してくれた。 もう何だか何をされてもニンマリしてしまう…。最後に小さなプチケーキが4つ。これも又美味! (これも当然の事ながらサービス)

満足のディナーの記念に・・・また絶対に来ます!
そして、勘定書きを見ると何とサービス料を取っていないのだ!!もちろん私達は通常のサービス料以上のチップを置いて席を立った。 最後のお見送りにオーナーからカルーゾの立派なカタログを頂いた。このカタログはイタリア語と英語で表記してあり、読むのに 時間がかかりそうだけど、大切な旅の思い出となった。いつまでも記憶に残るお店って何だろう?それはおいしい料理を かしこまって食べることでもなく、豪華な装飾や高いワインを飲んだことでもなく、その場所にいたことが本当にHAPPYで居心地が良いお店だと思う。 現にまだ私はオーナーやスタッフの笑顔を思い出すことができる。お料理もドルチェもエスプレッソの味も思い出すことができる。 お店のスタッフが楽しくないと客も楽しくない。スタッフが笑顔でいれば私達も笑顔になる。スタッフが固い雰囲気だったら私達も 固くなってしまう。スタッフが慇懃無礼な態度だったら私達も横柄な対応をしてしまう。スタッフの対応一つで私達の気持ちも変わるのだ。 カルーソでの食事は私にとって大切な心の宝物になった。また、必ず訪ねてみたいと思う。
最後に・・・
今回もいろいろとお世話になりました。 今回の旅も素晴らしいものとなりました。ホテルも全て良かったです。 特にシチリアのヴィラダフネはホテルもさることながらスタッフの皆さんが素晴らしく暖かい気分になりました。 ちょうと結婚式があってイタリアの結婚式も見ることができました。
トラブルは、体験記にも書きましたが、
1 ナポリの路上でネックレスをひったくられそうになったこと。
2 タックスフリーの件でイタリア旅行社の方へ電話してしまったこと。
3 帰りのフィレンツェからローマ便が遅れてしまい、空港を走り回ったこと。
などでしょうか?
1は私が悪いので何とも言えません。少し油断があったのかもしれません。 ②は後から考えると何てことなかったのですが、その時はあせってしまい、イタリア旅行社の方へ 電話してしまいました。スミマセン。(多分朝方か深夜だったと思います。) ③も遅れることはローマのアリタリア航空に伝わっていたようなのですが、やはり時間になると 飛び立ってしまうのでは??という不安があり、必死でした。アリタリアの人に聞いても「OK OK!」って 感じだったのですが…。ワインを片手にフラフラでした。
それでも本当に楽しい旅でした。
イタリア旅行社さんには、いつもステキなプランを考えていただいて、ありがとうございます。 イタリア旅行がイタリア旅行社さんのおかげで普通のパックツアーでない体験ができ、どんどん楽しみが広がっていきました。 イタリアに旅行した友人も「どこでこんなホテル見つけたの?」とビックリしています。
いつもは、こんな事しないのですが、今回は旅日記風にイタリア旅行で感じたことなどを書いてみました。 参考にしていただければ幸いです。
帰国後、テレビでは、世界不思議発見で南イタリア特集があったり、ウルルン滞在でジミー大西さん (ジミーちゃん天才!)がフェラガモに行ったりと懐かしい日々を思い出させてくれました。
次回のイタリア旅行を夢みながら、せっせとお金を貯めたいと思います。 ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いします。
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